フリーの広告制作ディレクター(企画・進行管理マン)が地方だとほぼ不在のわけ

他県で活躍する友人(フリーのWebデザイナー)と話してなるほどーと思ったこと

友人は関西の人口12万くらいの町に住んでいます

友人いわく、フリー広告制作系の仕事をやっている人は多いが、進行管理とかをするディレクターという人がまわりに1人もいないと言っていて、なるほどなーと思いました

わたしはディレクターの仕事がメインなのでよくわかります

 

つまり、広告制作における

  • Webデザイナー
  • 印刷物デザイナー
  • ライター
  • プログラマー
  • カメラマン

とかが豊富で、ぜんぶ揃ってるやん?と思いきや、それらをとりまめる人がいないってこと

ディレクターはとりまとめの他に、お客さまとの接点のかなめ

お客さまのかかえている課題を見つけて、予算の中でどう対応するか作戦を考える人

 

広告制作の多くの場合で、広告の質を左右するもっともなくてはならない人ですが、地方だとフリーの方はほぼいないというのです

ちなみに制作会社ならかならずいます

いないと質を保てないので仕事にならない

 

家を建てるとき、大工さんはいるけど現場監督とか設計する人とかがいなくて、できる家の質が低いみたいな感じでしょうか

専業ディレクターがいるところもあるし、少数の会社なら営業兼ディレクターとかも多いです

 

で、どうしてフリーのディレクターがいないかというと、理由はかんたんで、地方では食べていく難易度がめっちゃ高いからです

優秀なディレクターほど、東京とかの案件のほうが稼げます

地方はそもそも予算が限られているので、それなりのディレクターに関わってもらえる案件が少なく、だからそもそもお目にかかれないのです

 

ではディレクターの仕事はどうしているかというと、これも多くの場合デザイナーがディレクターの代わりをやっているのです

例外もたくさんありますが、基本的にはディレクターの仕事において、デザイナーは本職のディレクターほどの活躍はできません

 

でも地方だと仕事を発注する人には違いがわからない

仕事発注者は多くの場合、制作物の質ではデザインのよしあしぐらいしか判断できないので、問題にならないというわけ

発注者もデザインがメインのデザイナーも、別に困っていない

 

ディレクターが必要、という発想にならないので、もちろん予算も出ない、結果ディレクターが食べる仕事が生まれない

だからディレクターはじぶんが活躍できる環境をもとめて、出ていってしまうというわけです

 

わたしが尊敬するある地方のフリーWebディレクターは、地方にいながらも営業の対象を全国に広げて、全国のパートナーと組んで、場所にとらわれずバリバリ仕事をしています

地方のフリーWebディレクターが生きるひとつの正解と感じますが、まだ圧倒的に少数派でしょう

 

この状況は少なくてもわたしが地方にきてから10年は変わっていないので、今後もしばらくは変わらないと思います

ただディレクターの仕事は予算の限られた地方にこそ必要だと思っています

今後も役に立てる道を探します